【ビジネスパーソンへ】イーロン・マスクが、Twitterを「自由な言論空間にする」ことに失敗した理由

イーロン・マスク氏の強さは、誰も手がけていないか、まだ手が付け始められたばかりの市場に莫大な資金と優秀なエンジニアを投入して、市場の先駆者となり、初期参入者の利益を得ることだ。

電気自動車のテスラ、ロケット鬱上げと衛星通信回線のスペースXは、その典型だ。

その斬新な経営は、マスク氏自身が初めから構築した企業だからできたことだ。
しかし、Twitterは全く別物だ。

ハードウェア企業ではないことは確かだが、純粋なソフトウェア企業でもない。
SNSという言論空間を提供するプラットフォーム企業だ。

Twitterは、プラットフォーム企業として世界的に展開している。そこで問題となるのが、各国での文化の違い、人種問題、性的マイノリティの問題、政治的な自由の問題など各国で様々だ。

もちろん、独裁国家ではTwitterは禁止されているが、そこまでは行かない国家で、Twitter発祥の地であるアメリカと文化や価値観の異なる国はいくらでもある。

ある意味でTwitterという言論空間は、集合で言うところの各文化の「積集合」の部分で生きていかなければならない言論空間だということをあまり理解していなかったようだ。

莫大な数の投稿がある言論空間の監視には、人間による監視は無理で、AIによる監視が必要だが、マスク氏は多くのエンジニアの首を切り、過度に負担がかかる残った優秀なエンジニアも辞めていくという人材流出の負のスパイラルに見舞われている。

さらに追い打ちをかけたのは、Appleの広告出港停止と、App StoreからTwitterアプリを削除されるのではないかという危険性だった。

そこでマスク氏は、Apple本社まで出かけて、ティム・クックCEOとの話し合いを持った。その結果、Appleは、再び広告を出稿し、App Storeからアプリを削除しないことを約束した。

そこでマスク氏は、Twitterの言論空間において、今後、差別発言やフェイクニュースを排除していくことを約束し、Appleの30%のサブスクリプション取り分を批判しないと言うことを約束したと考えられる。

その後、反ユダヤ主義的な投稿を行うラッパーのカニエ・ウェストのアカウントを凍結した。
一度は、凍結解除したトランプ前大統領もフェイクニュースを流したり、暗に支持者に対して暴力的な先導を行ったりすれば、すぐにアカウントが凍結されることになるだろう。

要するにTwitterは、これまでの言論空間を守り、マスク氏は自らが理想としていた「自由な言論空間」を早々にあきらめ、収益の改善に注力することになる。
それほど、マスク氏の危機感は強かったのだ。

従ってマスク氏がこれまで述べてきた「Twitterを自由な言論空間にする」という発言は、今後、無くなるのは確実だ。

それが経営者としてTwitterを存続させる唯一の選択肢だ。

レイニーS

Last Updated on 2022年12月5日 by Editor

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