思想・信教の自由による犠牲者を救済するシステムの構築が必要

統一教会問題が世間をにぎわせているが、特に問題となっているのは、政治家との関係で、政治家が統一教会に選挙支援をしてもらう代わりに、信者獲得のための看板として利用されるといギブアンドテイクのズブズブの関係にあるということだ。

それ以外の問題として、統一教会の信者の子供たち、いわゆる2世問題がある。
親が統一教会の信仰に熱心なあまり、小さな子供がネグレクト状態に置かれたり、親が献金をしすぎて、子供たちが満足な教育を受けられないという問題だ。

安倍元首相を殺害した山上容疑者も母親の信仰で家庭が崩壊した。母親による多額の献金で本人は頭がよかったのにも関わらず、大学進学をあきらめざるを得なかった。

いわゆる信者二世は、宗教の犠牲者であり、日本があらゆる宗教の信仰を憲法で保障しているため、カルトでも犯罪行為とならなければ、いくらその周辺にいる人たちが不幸のどん底に落とされようが、それはあくまでも自己責任の範疇で収まってしまう。

この問題が生じる理由としては、(もちろん日本だけではないが)カルト宗教に対して甘いこと。さらに警察は、トラブルがあっても、刑法に触れる可能性が低ければ、民事不介入として逃げてしまう。
しかし、オウム真理教が、あれだけをやってのける風土が日本には存在している。

カルト宗教問題に取り組むジャーナリストの鈴木エイト氏や弁護士の紀藤氏は、信教の自由を侵さないために外形的な視点でカルト認定し、認定されたカルトに解散を命じることのできる反カルト法を訴えているが、橋本元大阪府知事のような評論家は、信教の自由を盾に反カルト法に反対というか賛同していない。(この方は、議論の途中に議論をすり替えたり、ずらしたりするので考えが分かりにくい)

だが、二世問題については、罪もなく生まれてきた子供たちの人生について社会がどのように責任を持つかということを真剣に考えなければならない。社会には基本的人権に基づいた社会保障、社会福祉があるが、二世の人たちの多くが、この網からこぼれ出ている。親は一見、しっかりとしているが、信仰のためならば、こどもさえも犠牲にする。

宗教が人間の幸福を目指すものだとすれば、完全に倒錯している。しかし、日本の幸福は、神に従うことで、教祖は神の生まれ変わりだとの教義を持っている宗教ならば、教祖に従うことこそが、幸福ということになる。神の代弁者が、夫婦と子供という家族を否定し、教団こそが家族だといえば、信者の子供の幸福などはなおざりにされていしまう。

それが、宗教の怖さなのだ。1万3千年前の祖先の霊が苦しんでいると説かれてたとしても、教祖の言うことならば、信者の多くは信じてしまう。先祖までさかのぼれば、膨大な数の祖先が存在し、だれを供養するのかといったことも判明しないという科学的、かつ合理的な考え方が入り込む余地もない。

ただ、だた、教祖と教団の言うことを信じ、依存しきっていしまうと洗脳状態にされてしまう。そのような人たちが一派社会へ再び帰ってくることは非常に困難だ。かつての人間関係は切れ、教団の中だけの人間関係にすがって生きている状態になってしまう。

しかし、信教の自由だと言ってしまえば、一人ひとりの自己責任論で終わってしまう。

日本においては、洗脳された人たちの二世を救う社会的な手立てがない。組織も人材もいない。それは日本の社会保障や福祉が、法律優先で、本当に困っている人たちに手を差し伸べて、生活を向上させることを手助けする(英国や米国のような本来の)地域に根付いたソーシャルワーカーがいない。あるのは社会福祉士という国家資格だけだ。

比較的画一化していると思われている日本社会も個人の価値観は多様化すると同時に社会が溶解していくように国家としての強固さを失っている。

多様化する価値観に対応できない社会と社会制度だけでなく、社会からはみ出していく人たちに手を差し伸べるという「優しさ」も地域社会が失いつつある。

よく言われるのは自己責任論で、一国の(元)宰相の理念が「自助、共助、公助」という当たり前のことを言っているだけでは寂しい。社会を良い方へ持っていく理念など語る本格的な政治家など皆無と言ってよい。

今のように現実を語ることが政治理念だとするならば、その場対応ができる人ならば誰でも日本国のトップになることができる。しかし、国民の生活を良い方へ引っ張っていく政治家がいないのにもかかわらず、政治家は内閣人事局を作り、官僚優位の体制まで壊し、政治を私物化してしまった。

本当に国民の生活を向上させられるのは、与党の政治家だけだ。
従って、価値観の多様化、カルトの存在を踏まえながら、ドロップアウトして自部時期になる人間を作り出さないっ社会のために政治や行政はどうあるべきかを考え、実行していかなければならないことをもう一度胸に手をあてて考えて欲しい。

M林檎

Last Updated on 2022年8月20日 by Editor

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