[国葬の政治利用]政治信条に関係なく国民の7〜8割が賛成するような状況でこそ国葬に意味がある。


吉田茂元首相の国葬(画像ソース:東京新聞)

週末に行われたJNN.の世論調査(2022年8月8日発表)において、安倍元総理の国葬についての賛否を問う質問については、国葬については、「賛成42%・反対45%」と反対の方が上回るという結果だった。

この結果には、岸信介首相から続く安倍元首相の統一教会との深い関係と、主に自民党安倍派が現在も選挙活動などで、統一教会との関係を持っていることへの反感が影響していると思われる。

岸田首相は、なぜ、このような国論が二分することを想定せずに国葬を早々と閣議決定してしまったのか。

巷間、言われていることは「自民党内の保守層を取り込むため」だったという。背景には安倍元首相が、自民党の右派(保守層)の支持を背景に党内の基盤を固めていたからだ。その支持基盤を取り込まなければ、岸田首相にとっては、政権運営が不安定になると考えたのだろう。

だがら、国葬の理由について、歴代最長の政権だとか、外交で実績があったとか、国民の多くが賛同できる理由ではなく、元々、安倍元首相の支持者や自民党の支持層にだけ響く内容だ。

さらに問題なのは法的根拠だ。
首相は、内閣法制局と協議の上、内閣設置法第三条にある「・・・・皇室、栄典及び公式制度に関する事務その他の国として行うべき事務の適切な遂行、・・・・」を根拠としている。国葬は内閣府が行う仕事であるから、政府の閣議決定で決められるという倒錯した論理である。

本来、国葬は、国葬に関する法律があって、その要件を法律で決定し、国会の承認を得て行うべきだ。そして、その事務の執行は内閣府が行えばよいのだ。

国葬と言えば、国民も当日は喪に服するのが常識だ。それだけ、国にとって重要な行事である。しかし、岸田首相は学校を休みにすることはないと述べている。それならば、内閣と自民党の合同葬をじっすればよい。国民全体が喪に服すかどうかは、内心の自由の問題があるので、国葬というならば特別に祝日として、ライフラインを保つ国民以外は、喪に服すことのできる環境を整えるべきだ。

今回の国葬は、国論を二分した中で行われ、法的根拠も曖昧で、無理に解釈しているので、必ずといっていいほど行政訴訟が提起されるであろう。

この国では、多くの重要なことが、政界などの小さなサークルの中の利害関係で決定されるのが大きな問題だ。

M林檎

Last Updated on 2022年8月27日 by Editor

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