【モバイル林檎の視点】6月29日、初代iPhone発売から10年

米時間の2007年6月29日(金)、初代iPhoneがアメリカ国内で発売されました。
残念ながら初代iPhoneは通信方式のGSMが日本のキャリアに対応していなかったため、日本での発売はありませんでした。しかし、当時のAppleファンにとっては、初代iPhoneは無理でも2代目iPhoneの日本国内発売への期待が高まっていました。

iPhoneというスマートフォンのオリジナリティはスティーブ・ジョブズ氏のこだわりにより、物理キーボードが採用されずマルチタッチディスプレイによるソフトウェアキーボードが採用されたことでした。
それまでのスマートフォンは、ブラックペリーのような物理キーボードを搭載しているデバイスが主流でした。

日本でiPhoneが正式に発売されたのは、翌年の2008年に発売されたiPhone 3Gからです。日本ではソフトバンクが発売し話題を呼びましたが、爆発的な人気とまでは行かず、日本国内でiPhoneが本格的に普及し始めたのは、iPhoneの知名度が上がり、同時に処理速度が向上したiPhone 3GSからでした。

筆者が初めてiPhoneを購入したのは2008年のiPhone 3Gです。それ以前からモバイル系のデバイスが好きだったので、Windows SEというMicrosoft社製のモバイルOSを搭載したウィルコム社(現Y!mobile)製のW-ZERO3(PHS端末)を使っていました。ちょうどiPhone 3G発売時にW-ZERO3が故障したので、話題になっていたiPhone 3Gを購入しました。

その時の印象は、W-ZERO3はかなり知識がないと使いこなせないデバイスでしたが、iPhone 3Gは、初心者でもすぐに使い始めることができて、iPod機能もあるということでW-ZERO3を使っていた頃のストレスがなくなったのを覚えています。ただ、テキストのコピペに対応していないのは大きな不満でした。

この時からApp Storeが用意され、サードパーティアプリを自由に入れられるようになりました。iPhone 3Gに搭載されていたのは、iPhone OS 2.0(後のiOS)でコピペもできませんでした。
アップデートも有料で、コピペができるようになったのは、2009年のiPhone 3GSに搭載されたiPhone OS 3.0からでした。

それから劇的に変化したのは、4インチのRetinaディスプレイ(1136×640px)を搭載し、Lightningコネクタが搭載され、LTEにも対応したiPhone 5です。そしてiPhone 5sが発売された2013年には、フラットデザインを採用したiOS 7が公開され、ユーザーインターフェースが見直されました。

ただ、機能面ではGoogleが無料でハードウェアメーカーに公開し、積極的に新機能を取り入れていたGoogle製のモバイルOS、Androidに後塵を拝していました。

Appleは、Googleとは異なりスマートなデザインのハードウェア、自由にカスタマイズできませんが、マニュアルを読むことなしで使い始めることができるiOS、App Storeでマルウェアやポルノアプリを排除するなど、発売されるハードウェアとアプリを自社でコントロールしていました。


Appleは、それにより独自のエコシステムを構築していましたが、様々なサービスに必要なオリジナルマップはGoogleに遅れをとったままでした。現在は、Appleも世界中でカメラを積んだ車を走らせ、ストリートビューに負けない機能を実装しようとしています。

AppleとGoogleが、争いっている間に、Microsoftは、モバイル端末市場から撤退し、現在は再参入を狙って開発を続けていると言われています。それは、おそらく現在のAndroid分ででもiOS風でもない新デザインと新機能を持ったOSなると思われます。

現在のスマートフォン市場は、経済的に豊かな先進国では飽和状態になり、技術革新も停滞しているように見えまます。しかし、Appleは10年記念モデルとなるiPhone 8で再び革新を起こそうとしています。

新たに3Dセンサーを導入し、VR(拡張現実)をiPhoneで利用できるようARKitという開発者向けのAPIを公開しました。これにより多くのVRアプリが登場するはずです。

VRやAIは、iPhone 8に搭載されるiOS 11から本格的にサポートされます。またiOS 11で動作するのは64ビットアプリのみとなり、動作の遅い32ビットアプリは利用できなくなります。ここで古い資産を切り捨ててユーザーにも新しいアプリに乗り換えるように求めています。

筆者自身、正直なところiPhone 3GS〜iPhone 5までの頃のようなワクワク感を現在のiPhoneに感じなくなっています。
その原因の一つとしては、ジョブズ氏の時代よりも情報管理が緩くなり、発売前にほとんどのスペックが分かってしまうようになってしまったことが影響しているのかもしれません。

Appleファンとしては、やはり新製品を発表する基調講演では、あの有名なジョブズ氏が発していた「One More Thing」をティム・クックCEOが自身の言葉として発し、予想外の新機能に感動したいものです。

(M林檎)