2011年10月、Appleの共同創設者が死の床にあったとき、家族以外にジョブズ氏に寄り添っていたのは、親友のデザイナー、ジョナサン・アイブ氏とすでにジョブズ氏の後継者と決まっていたティム・クックCEOでした。
ほとんどのAppleユーザーが、ジョブズ氏の天才的な発想、その細部にわたるこだわりに心酔しAppleファンになっていました。
しかし、ジョブズ氏の成功は、デザイナーのアイブ氏の天才的な工業デザインの手腕とクック氏の製造に関するオペレーション能力があったからこそです。特にクック氏は、誠実な性格で、ジョブズ氏に忠実に仕えてきました。そして、ジョブズ氏は、経営者として舵取りをクック氏に任せたわけです。
それ以前には、iOSの責任者、フォーストール氏が後継と噂されていましたが、アイブ氏との仲違いにより、Appleを去りました。
クック氏が、CEOに就任してからは、Appleの業績はうなぎ登りで、株式の時価総額もい100兆円を超えました。これは、コンシューマー向けのエレクトニクス製品やソフトウェアを扱う企業としては、前代見物の規模です。
また、クック氏は、ジョブズ氏が興味を向けなかった企業の社会的な責任を果たすことについても、非常に熱心です。環境問題(リサイクル、再生可能エネルギーの使用)、サプライヤーへの責任、多様な人種を受け入れる企業風土の醸成、個人情報の保護など、公平で安全な社会の実現に熱心です。
本書では、ジョブズ氏とは異なり地味なためにフォーカスされることのなかったクック氏の人物像を丹念に描き出しています。著者のリーアンダー・ケイニ―氏は、Appleの情報サイト、Cult of Macの運営者であり、過去にもベストセラーを出した作家でもあります。
なお、本書は8月16日の発売に向けて予約受付中です。
Last Updated on 2019年6月19日 by Editor
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