ストラディヴァリ父子3人(16世紀〜17世紀)がが制作したヴァイオリンは、「ストラディヴァリ(英:Stradivarius)」と呼ばれ、400年近く経った現在でも、世界最高の音を奏でるヴァイオリンと評価されています。
ストラディバリウスのヴァイオリン独特の音色は、ストラディヴァリが、非常に寒い時期に成長したアルパインスプルース材を使用した可能性があるというものです。しかし、それだけでは、あの美しい音色は説明できません。
Analytical Chemistry 誌に掲載された最近の論文では、木材とワニス(天然樹脂や合成樹脂を溶剤に溶かした塗料のこと)の界面にタンパク質ベースの層が明らかになり、これが木材の自然な共鳴に影響を与え、結果として得られる音に影響を与える可能性があることが報告されました。
ストラディヴァリウスに使用されているワニスには、銅、鉄、クロムの塩が含まれていて、これらはすべて優れた木材保存剤ですが、楽器の音響特性を変えた可能性もあります。
スイス連邦材料科学技術研究所 (EMPA) の研究者による2016 年の研究からは、すべてのワニスが木材の減衰能力、振動を吸収して止める能力を高め、より温かくまろやかで美的に心地よい音を生み出すことを発見しました。
さらに木材とワニスの間に中間層を持っていて、間層には、ナノスケールでパッチ状にクラスター化されたタンパク質ベースの化合物が含まれていることが明らかになりました。
また、古い高品質のバイオリンは、おそらくバイオリンの製造に使用された材料と、当時の独自の製造技術 (化学処理を含む) により、より強い空気共鳴を生み出しました。
ストラディヴァリウスに関するこれらの研究は、現在、進行中で、この研究成果が現代のヴァイオリンに活かされるこを願います。
(via Ars Technica)
Last Updated on 2022年11月5日 by Editor
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