Appleは、iOSでサンドボックスというセキュリティのために、原則アプリ間のアクセスを禁止したりしていたり、使用法を簡単にするために(ファイルを意識しなくてもよいように)、一部ユーザーの要望にもかかわらず、かたくなにファルマネージャー的なアプリをリリースしてきませんでした。
しかし、iCloudが、Dropboxのようにファイルやフォルダに直接アクセスできるようになってから、Appleは、iCloudのファイル管理用に「iCloud Drive」というアプリを提供していました。
大幅に改良されたiOS 11で、Appleは「iCloud Drive」アプリを進化させ、「ファイル」アプリとして「iCloud Drive」以外のクラウドストレージである「Dropbox」「Google Drive」「Amazon Drive」「iPhone内の一部データ」にもファイルアクセス&操作可能なアプリとして公開しました。
「このiPhone内」という項目では、iPhone内のサードパーティアプリのデータにもアクセスできるようになっています。(対応しているアプリだけです)
今回の記事では、「ファイル」アプリの使用方法を以下の項目で説明します。
1.ブラウズ(トップ)画面と各種クラウドストレージ等の表示・非表示
2.基本的なファイル操作
3.「ファイル」アプリに対応したサードパーティアプリのデータにアクセス
4.ファイルを整理するためにタグ付けは非常に便利
5.プレビュー
6.まとめ
では、使用方法を説明します。
1.ブラウズ(トップ)画面と各種クラウドストレージ等の表示・非表示
アプリを起動させて、トップ(ブラウズ)画面では「ドライブ」や「場所」が表示されますが、サードパーティのクラウドストレージへのファイルアクセスには、そのクラウドアプリで事前にログインしていることが必要です。(例えばDropboxへのアクセスでは、すでに「Dropbox」アプリでログインしていることが必要です)
トップ画面の利用できるクラウドストレージを非表示にするには、ブラウズ(トップ)画面で右上の「編集」をタップします。
すると以下のような画面が表示されるので、トグルをオフにするとトップ画面に表示されなくなります。
トグルのオンオフを決めて「完了」ボタンをタップします。
2.基本的なファイル操作
一例としてブラウズ(トップ)画面から「iCloud Drive」にタップしてアクセスします。以下のように「iCloud Drive」内のファイルやフォルダが表示されます。
(1)ファイルの移動や削除等
該当のファイルやフォルダを長押しするとメニューが表示されます。
ポップアップのメニューには、「コピー」「複製」「名称変更」「移動」「削除」(右端の「▷」をタップすると「共有」「タグ」「情報」が表示されます。
・「コピー」は通常のコピー&ペーストと同じ操作です。
・「複製」は、そのファイルがもう一つ複製されます。
・「名称変更」では、ファイル、フォルダの名前を変更できます。
・「移動」をタップすると移動可能なクラウドストレージやフォルダが表示されるので、目的のストレージやフォルダを選択すると移動されます。「移動」は、以下のようにファイルを長押しした状態で、その下にあるフォルダにはドラッグ&ドッロップすることでも可能です
・「共有」では、メッセージ、Twitter、LINEなどでの共有が可能です。
・「タグ」については、後で説明します。
・「情報」は、ファイルの種類、サイズ、場所、作成日、変更日のファイル情報が表示されます。
(2)新規フォルダの作成、表示順序、一覧表示
ファイルやフォルダ表示画面で、下にスワイプすると「新規フォルダの作成」「表示順序(並び替え)」「一覧表示」のアイコンや文字が表示されます。
新規フォルダの作成は、アイコンをタップすると下のような画面に切り替わり、フォルダ名を入力し「完了」をタップすると新フォルダ作成されます。
「表示順序」をタップすると以下の並び替えの選択肢が表示されます。
「名前」「日時」「サイズ」「タグ」での並び替えが可能です。
「一覧表示」をタップするとタイル表示から以下のリスト表示になります。
(3)ファイルの一括動作
フォルダ・ファイル表示(ここではiCloud Drive)画面で、右上の「選択」ボタンをタップすると複数のファイルを選択して一括処理できます。一括処理できるのは「共有」「複製」「移動」「ゴミ箱」です。
ファイルを複数選択して、下のタブにあるアイコンを選択して「完了」をタップすると上記の一括処理が行えます。
3.「ファイル」アプリに対応したサードパーティアプリのデータにアクセス
トップ画面の「このiPhone内」をタップすると利用できるサードパーティアプリのデータフォルダが表示されます。
4.ファイルを整理するためにタグ付けは非常に便利
トップ画面の下の方にすべてのタグの表示ができます。
タグの名称を変更したい場合は、「編集」をタップしました。
ここでは「パーブル」のタグ名を「一時保存」に変更しました。
例として、「iCloud Drive」の画面を開いてみます。
そこでタグを付けたいファイルを選択して長押しし、離します。するとポップアップのメニューが表示されるので、右端の「▷」をタップし「タグ」を選択します。
ここで、先ほど名称変更したタグの「一時保存」を選択します。
これで選択したファイルに「一時保存」のタグが設定されました。
タグを設定していると便利なのは、フォルダやクラウドストレージをまたっがて横断的にファイルを集められることです。
トップ(ブラウズ)画面の「タグ」で「一時保存」を選ぶと以下のようにタグを付けた2つのファイルが表示されます。
この画面では、一括のファイル操作も可能なので、フォルダとタグを両方使用すると、ファイル管理が非常にやりやすくなります。
5.プレビュー
もちろん「ファイル」アプリでは、Office(Word・Excel・PowerPoint)のファイル、iWork(Pages、Numbers、Keynote)、PDF・画像ファイルのプレビューが可能で、動画の再生も可能です。
6.まとめ
以上のようにiOS 11で搭載された「ファイル」アプリは、非常に使いやすくなっています。
今までクラウドストレージ間でファイルの移動は、MacやPCを使用するのが普通でしたが、「ファイル」アプリがあると、クラウドストレージのや一部のサードパーティアプリのファイルがiPhoneやiPadの「ファイル」アプリで管理できるようになります。
「ファイル」アプリはAppleの公式アプリなので、サードパーティ製と異なり、iOSとの互換性も十分なので安心です。
Last Updated on 2017年11月17日 by Editor
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