[内需拡大政策の失敗]日本の経済成長はアフリカの最貧国並み

画像ソース:The Economist

日本のGDPは、過去30年間にわたって、ほとんど成長していない。経済成長のための内需拡大とインフレ2%を目指したアベノミクスは、失敗だった。

過去20年間の日本の経済成長率は、アフリカの最貧国並みになっている。
アフリカの最貧国の経済成長が低いのは、内陸国が多く、貿易依存率が低いことやブラックマーケットがあること、さらに内戦で疲弊精緻得ることなどがあげられる。

IDE-JETRO(独立行政法人日本貿易振興機構)にようると、日本の経済成長率の低さは、貿易立国といいながら、貿易依存率が経済成長国に比べて非常に低いことが挙げられている。

IDE-JETROは、2011年に「アフリカ情勢 20年も成長しない経済の秘密:日本とアフリカの共通点」という分析記事をホームページに掲載している。そこから10年以上経っているが、その状況は、改善するどころか悪化している。

貿易立国と称しながら日本の貿易依存度はいちじるしく低い。輸出入あわせたGDP比率は30%ほどで、これはアメリカ並みだ。EU経済圏で互いに結ばれた欧州諸国の貿易依存度はかるく50%を超えており、中国は80%、韓国は100%、マレーシアは200%、シンガポールは300%である。日本の数字は世界平均にも遠くおよばないうえ、増えてもいない。日本経済は非常に内向きなのである。開発経済学の最大テーマはその発祥から貿易にあったといえるが、そこに、日本の潜在成長力に対する示唆がみいだせる。お隣の韓国が犠牲を払ってもFTA交渉を進めている一方で、日本は内向きの議論に終始し、貿易依存度はアメリカよりも低くなろうとしている。

さらに日本では、急速な人口減少が内需拡大に悪影響を及ぼしている。
現在の日本の置かれている状況は、円安であり、輸出には最適な状況だが、大手企業の工場が中国などの海外に移転し、サプライチェーンも国内で構築できなくなっている。

このため、国内生産は減少し、円高のうま味を利用できていないどころか、輸入物価の高騰に苦しんでいるという有様だ。

内需拡大に重点を置く日本政府の経済政策の失敗は明らかだ。
もちろん、経済産業省もベンチャー育成などの新しい産業の育成に力を入れているが、それほど成果を上げていない。

すでに強みであった自動車産業は、欧州による電気自動車への移行というゲームチェンジに負けようとしている。

三菱重工が、小型のジェット旅客機をほぼ完成したのに米国での型式認定に手間取り、結局、資金不足で開発を取り止めてしまった。これについても、政府は、新産業としての航空機産業の育成にもっと手を貸すべきだった。

政府は、今後、どのような政策を展開するのだろうか。しかし、財政再建路線か、経済成長路線かという単純な議論に終始するのか。
もう、そのような不毛な議論は止めて、輸出産業を育成して外貨を獲得し、賃金に反映させることでデフレマインドを克服することしかない。

そのためには、国会議員を総入れ替えするくらいの大胆な既得権益に縛られない国策の変換が必要だ。
輸出力を失った産業を国によって生きながらえさせる現在ような政策を続けていては、日本沈没は避けられない。

M林檎

Last Updated on 2022年8月11日 by Editor

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