Appleは、もはやイノベーティブな企業ではない!?

Appleは変わってしまった?

スティーブ・ジョブズ氏の公式伝記を書いた作家のウォルター・アイザクソン(Walter Isaacson)氏が、CNBCの「Squawk Alley」のインタビューでAppleについて否定的な 見解を披露しました。

話題はバーチャルアシスタントに及び、アイザクソン氏はAppleについて「Appleはもはや最も革新的な企業ではない」と述べました。
同氏は、すでにSiriを利用せずにスマートスピーカー市場を創り出した「Amazon  Echo」や「Google Home」を利用しているとのことです。

AppleがSiriを利用したスピーカーをリリースするという情報がありますが、同氏は、もはや(他の企業がイノベーションを起こしている)その分野に力を入れるのではなく、Appleは、もっと別の分野でイノベーションを起こすべきだと述べています。

普通の偉大な企業ではなくイノベーションを起こすべき企業

アイザクソン氏は、Appleは偉大な企業ですが、普通の偉大な企業ではなくイノベーションを起こすべき企業だと考えています。従って、今のAppleのように、他の企業がすでに市場を創り出している分野に後から参入すべきではないと考えています。

Apple Watchしかり、Siri Speaker(WWDC 2017で発表?)しかりです。
Appleの信者にとっては、生活全体をAppleのエコサイクルで満たすためにはApple WatchもSiri Speakerもありがたい製品ですが、イノベーティブでなければ、一般ニューザーへの浸透はなかなか進まないでしょう。

iPhoneがなければ生活に困りますが、Apple Watch、Siri Speakerが無くても生活に困りません。MacBookがなければ仕事にも生活にも支障をきたしますが、もはやiPad Proがなくても大丈夫です。

自動車事業も後追い

Appleは、現在、TeslaやGoogleの後を追うように自動運転自動車の研究を急いでいます。
おそらく10年後には、エンジンを搭載する自動車はマニアックなものになり、電気自動車が主流になって、そのほとんどに自動運転機能が搭載される可能性があります。

複雑な内燃エンジン搭載車でなければ、部品点数が減ると同時にソフトウェアやエレクトロニクス技術が中心になるので、以前よりも(もちろん大規模な資本が必要ですが)新規参入が簡単になっています。Teslaがその典型です。

そこで既存の自動車メーカーも市場が急激に変化することに危機感を持ち、自動運転の電気自動車の研究を行っています。参入が比較的簡単なことから今後、他分野からの新規参入が増えるでしょう。電気自動車については、Appleもその新規参入組の一つでしかありません。

危機こそがイノベーションを生む?

果たして、Appleが自動運転の電気自動車の分野で最もイノベーティブな企業になれるでしょうか?
ひょっとするとジョブズ氏が生きていたらそうなれたかもしれませんが、すでに彼はいませんし、後任のクックCEOはそのようなタイプではありません。ジョブズ氏と親友だったデザインチーフのジョナサン・アイブ氏も、Appleの仕事は部下に任せつつあると聞きます。

Appleに必要なのは、Teslaのイーロン・マスク氏のようなPayPalを成功させ、Teslaを大企業に成長させ、宇宙事業に乗り出すようなフロンティア精神を持った指導者です。
Appleにそのよな指導者を社内から登用したり、外部から受け入れられる風土があるといいのですが、Appleは現在、iPhoneで成功しすぎているために当分の間は無理な話でしょう。

。筆者は、最近のApple製品を見たりApple関連のニュースを読むと、同社がイノベーションのDNAを失いつつあるように感じてしまいます。そうは思いたくないのですが、他の企業と同様に、Appleがイノベーティブに変化するのは、会社の存続に係わるような大きな危機を迎えたときかもしれません

参考:MacRumors

Last Updated on 2017年10月1日 by Editor

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