「鵺(ぬえ)」とは伝説上の妖。体の部分部分がそれぞれ別の生き物に似ているとされ、得体の知れない存在の代名詞となっている。「鵺のような」と形容されるのは、「得体の知れない」「奇妙な」「底が知れない」「食わせ者だ」「薄気味の悪い」といった意味合いを含む表現だ。
私も、鵺のような上司に仕えたことがある。上に立ちながらも決断をできるだけ避け、ほとんどのことを聞き流してしまう。
それでは仕事が回らないから、部下がその鵺上司に「決めてください」とせっつくが、それくらいのことでは、微塵も動かない。
その上司を理詰めで追い込むと、最後に出てくる言葉は「必要があれば・・・」と、必要があればという言葉を多用する。その上司は、公務員の世界で高卒にも関わらず、異例の出世をしていた。いつもヒラメのように上を見ていたから、自分の決断で失敗することを嫌がっていた。
そして、待つことによって、自分が決断しなくても(さらに上の幹部の発言で)自然に方向性が定まり、それを追認するように決断をした。
人前で部下に全部の責任を押しつけることはせず善人を演じるが、影で自分の上司に部下の悪口を言って、結果的には責任を逃れていた。
よく知って欲しいのは、「必要性があれば」とか「必要に応じて」とかいう言葉は、役人の好きな言葉であり、決断を先送りして責任を逃れようとする言動の一つだ。
さらにその鵺上司は、自分の任期が終了し、職場を離れることになっているのに、それを全く部下には、そのことを話さない。それはどういうことかというと、自分(上司自身)が本当に退職するまでは、(この世は)何が起こるか分からず、何事かか起こって突然、自分の出番が回ってくるかも知れないと思ってのことだ。だから部下にも退職が決まったことを黙っていた。
その辛抱強さは大したものだったが、組織全体のことなどは、何も考えていないのは明らかだった。
最初から、最後まで自分のことしか考えていなかった。
最近、その鵺(ぬえ)上司の姿が、岸田首相とオーバーラップするのだ。岸田首相も困難なことは自分からは決断しない。安倍さんや世論が決めてくれた。しかし、自分の得すると思ったら「安倍首相の国葬」のように決断するが、そもそも状況分析が足りないため、後からその必要性を攻められている。
また、統一教会問題にしても自分からは積極的に動かずに、議員個人が明らかにするように求め、自分がリーダーシップをとって統一教会との関係を清算しようとしない。反対に「調査しない」との閣議決定さえ行っている。
どう考えても、岸田首相は、鵺のように「奇妙な人だ」であり、待って、待って、失敗しないようにしている。しかし、今の追い込まれた日本は、岸田首相のような「待ちの人物」で務まるとは思えない。
「鵺(ぬえ)」の説明
「平家物語」などに出てくる妖怪。サルの顔、タヌキの胴体、トラの手足、尾はヘビの形をしており、トラツグミに似た鳴き声を発する。源頼政(みなもとのよりまさ)が退治したとされる。
あやしげで、得体の知れない人物のたとえ。(via ezbbq)
M林檎
Last Updated on 2022年8月22日 by Editor
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