Appleの製品は素晴らしい!
多くの人がそれに同意します。私たちMacカルトはアップル製品をまるで神のようにあがめます。しかし、そのような神(製品)を生み出すApple社は、時に不可思議、大胆、執拗な行動(態度)に出ることがあります。
今回発表された電子書籍作成ツールiBooks Author(無料)の出来映えは多くのところで絶賛されています。誰でもが簡単に動画、3D、グラフをページ内に埋め込み、見栄えの良い電子書籍を作成できます。
しかし、その出来映えとは裏腹にiBooks Authorの使用許諾契約書に批判が集まっています。
すでに、ご存じの方が多いと思いますが、iBooks Authorで作成した作品は、無料ならばどこでも公開してよいのですが、有料ならばAppleのiBookstoreでしか販売できないというのです。
要するにiBooks Authorで作成した作品はAppleを通じていか販売できないのです。そうならば初めから、無料も含めてiBooks Author以外配布禁止とすれば分かりやすいのですが、無料のものは一般に広く配布してフォーマットを広めて欲しい(そしてiBookstoreに呼び込み儲ける)という下心があるから、ややこしくなっています。
このようにApple側が自己都合を優先しすぎたがためにおかしなことになっています。これについてスラシュドットが「iBooks Authorの使用許諾契約書、法律違反の懸念を招く」で「Litigation & Trial」の記事を紹介し、米国の著作権法下の独占販売契約とiBookstoreでの使用許諾契約書の矛盾を指摘しています。
米著作権法の下では、独占契約を行うには「著作権の譲渡を行わなければならない」とされているそうだ。さらに、著作権の譲渡には著作権者のサイン入り譲渡証書や覚え書きが必要となる。そのため、Appleの「独占契約を強制する」EULAは法的には無効なのでは、という主張もある。
また、Litigation&Trial記事によれば、このEULAには抜け道があったようだ。もしiBooks Authorで作品を作った著者がEULAを無視して、書面の契約書を交わすことなく作品を他所で勝手に商的流通させたとしても、Apple社は損失を受けないため賠償請求や著作権使用料の請求を行うことはできないとのこと。
一般的な感覚からしても違和感のある使用許諾契約書ですから、今後Appleが変更を余儀なくされるかもしれません。
しかし、それまでは弱小の企業や個人にとって、使用許諾契約書に違反しiBookstore以外で電子書籍を販売することは「何兆円ものキャッシュを持つAppleに訴えられたらどうしよう?」という恐怖から逃れられません。
Last Updated on 2017年5月31日 by Editor
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