音楽コンテンツだけでなく、デジタルコンテンツの著作権を所有する側は、何かといえば違法ダウンロードを目の敵にして、政府に規制強化を働きかけています。
しかし、ネット社会においてデジタルコンテンツの流通を阻むような規制強化をし過ぎると地デジのB-CAS=不自由なコピーのように、世界にも例のないユーザーの利便性無視のへんてこな仕組みになってしまいます。
音楽業界はCDの売上減(2000年→201年でほぼ半減)は、(表向きは)違法な動画アップや違法ダウンロードが多いからだと考えているようですが、実際のところはどうなのでしょうか?
今回発表となったマイナビによるCDの購入関する調査[調査期間:2012/2/29~2012/3/4
アンケート対象:マイナビニュース会員、有効回答数 1,000件(ウェブログイン式) ]では、なんと調査対象者の61.6%もの人がCDを購入しないと答えています。
次にCDを買わない人に対して、なぜ、CDを購入しないのかを訪ねてみると、以下のような結果が出ました。
・インターネットショップ(itunesStoreなど)で購入するから 18.7%
・レンタル店で借りるから 49.0%
・音楽ソフトを購入しない 35.9%
・そのほか 7.5%
一番の理由はレンタルするからで、次は、そもそも音楽ソフトを買う習慣がない人が多いということです。違法ダウンロードは、「そのほか」=7.5パーセントの中の一部に過ぎません。
要するにCDを買う習慣がなくなってきているのです。違法ダウンロード問題は、CD売上減の本質ではなく、単なる傍流に過ぎないのです。音楽コンテンツにかつてのような魅力がなくなり、レンタルが普及し、買う習慣そのものがなくなってしまっているのです。
現在は、アルバム単位ではiTunesなどのネットで音楽を購入するよりもレンタルのほうが安価です。iTunesで邦楽は1曲200円〜250円もするので、消費者は便利なネットを使わずにレンタルに走っています。
日本の音楽業界は、CDの売上減を気にして、ネットでの価格を高くしているために、消費者はレンタルに走るという利益の出ない構造となっています。
長い目で見れば、音楽業界はネットでの販売価格を下げて、消費者がレンタルに走らないようにするべきでは? そうすればもう少し利益を確保できる状況になると同時に、新たに「ネットで購入する」という習慣を作り出せると思うのですが、いかがでしょうか?
Last Updated on 2020年8月9日 by Editor
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