(via CNET)
Appleのサプライヤー・フォックスコンがiPhone Foldの試験生産フェーズに突入。2026年7月の量産開始を目指す中、Samsungとの歴史的な正面衝突が迫っている。
Appleのサプライヤーであるフォックスコンが、iPhone Foldの試験生産(トライアル・プロダクション)フェーズに突入したと、中国のリーカーが伝えました。試験生産は本格的な量産に先立つ工程であり、Appleは7月から大規模量産を開始する計画を立てています。問題が生じなければ、2026年内の発売はほぼ確実と見られており、Appleにとって初めての折りたたみスマートフォンがいよいよ現実のものとなりつつあります。
期待される仕様とデザインの方向性 リーク情報を総合すると、iPhone Foldは折りたたみ時に約5.5インチ、展開時に約7.8インチのOLEDディスプレイを備えると予想されています。特筆すべきはそのアスペクト比で、4:3という横長のプロポーションを採用する見込みです。これはiPadに近い形状であり、現在市場に出回っている折りたたみスマートフォンの多くが採用する縦長・細身のデザインとは一線を画します。コンテンツの閲覧、ドキュメント編集、写真鑑賞といった日常的な用途において、このワイドな画面は使い勝手の面で優位性を発揮すると期待されています。
主要スペック(リーク情報まとめ) 最大構成
1TB / 約2,900ドル(約46万円)
展開時の厚さが約4.5mmという超薄型設計を実現するために、いくつかのトレードオフが存在します。トリプルカメラによる望遠レンズは搭載されず、また顔認証に必要なTrueDepthセンサーを収めるスペースも確保できないため、Face IDは採用されません。代わりにiPadで使われているような側面指紋認証(Touch ID)が採用される見込みです。折りたたみ部分の折り目(クリース)については、Appleがその最小化に注力しており、展開時にほぼ視認できないレベルを実現したとされています。
発売時期と価格戦略 当初は9月のiPhone 18シリーズと同時発売が見込まれていましたが、最新の情報ではiPhone 18 Proの発売後にずれ込む可能性が高まっており、遅ければ12月になるとの見方もあります。Appleは9月のイベントでiPhone 18 ProシリーズとiPhone Foldを同時に発表しつつ、実際の販売開始は段階的にずらす方向で検討していると見られています。
価格面では、256GBモデルが約2,320ドルからスタートし、1TBモデルでは約2,900ドルに達するとリークされています。これはApple製品としても異例のプライシングですが、折りたたみスマートフォン市場全体で見ると、最上位プレミアム帯に位置する価格設定です。初年度の出荷台数については、最大2,000万台との予測もあり、Appleのブランド力と既存ユーザーベースの規模を考えれば、決して非現実的な数字ではありません。
市場調査会社IDCは、Appleの参入によって2026年の折りたたみスマートフォン市場の成長率が約30%に加速し、Appleが市場シェアの22%以上、市場価値の34%以上を初年度に獲得すると予測しています。
強力なライバルたちの存在 折りたたみスマートフォン市場において先行するSamsungは、2026年7月頃にGalaxy Z Fold 8の発売を予定しています。注目すべきはSamsungが新たに「Wide Fold」と呼ばれる新モデルも開発していると報じられていることで、このモデルはiPhone Foldに対抗すべく、同じく4:3のアスペクト比を採用するとされています。2019年に折りたたみスマートフォンを世に送り出したSamsungにとって、初めて本格的な西側市場での競合相手が登場することになります。
2026年 折りたたみ主要機種 比較(予想ベース)
Galaxy Z Fold 8は200MPのメインカメラを含むトリプルカメラ、IP48等級の防塵・防水性能、Snapdragon 8 Elite Gen 5チップを搭載する見通しで、カメラ性能や防水性においてはiPhone Foldを上回る可能性があります。一方でAppleのA20 Proチップのシングルコア性能や、iOS/iPadOSの統合による操作体験の滑らかさは、Samsungを上回ると予測するアナリストも少なくありません。またGoogleのPixel 9 Pro Foldは2025年に前年比52%増という急成長を遂げており、折りたたみ市場における第三の勢力として存在感を高めています。
成功の鍵はソフトウェアとエコシステムにある Appleが折りたたみスマートフォン市場に遅れて参入することには、それ相応の理由があります。Samsung、Google、Motorolaなどの競合他社が市場を温めてきた結果、折りたたみ端末のフォームファクターは2025年に28%成長を達成しており、Appleが参入するタイミングとしては市場の成熟を見計らったものと解釈できます。ブック型フォームファクターはすでに折りたたみ市場全体の52%を占めており、2026年には65%まで拡大する見込みです。つまりAppleが選んだのは、市場が最も有望と判断したセグメントそのものです。
Samsungがハードウェアの着実な改良を強みとする一方、Appleが差別化を図れる最大の武器はソフトウェアとエコシステムの統合性にあります。iOS 26ではiPhone FoldのためのUI最適化が盛り込まれると報じられており、iPhone、iPad、Macとのシームレスな連携も折りたたみ端末上で一層強化される見通しです。折りたたみ状態と展開状態でアプリがどれほど自然に切り替わるか、Appleがこれまで磨いてきたソフトウェア設計力が問われる局面となります。
折りたたみスマートフォン市場に本格参入するAppleの挑戦は、単なる新製品の投入にとどまりません。Samsungが7年間かけて築いてきた市場を揺るがす可能性を秘めており、その競争はディスプレイ技術、薄型化、ソフトウェアの洗練度において業界全体を押し上げる力となりそうです。試験生産開始という今回のニュースは、iPhone Foldが着実にその実在を証明しつつある一里塚と言えるでしょう。
参考情報:MacRumors(2026年4月6日)、IDC Market Forecast、各種アナリストレポート。本記事の仕様・価格はリーク情報に基づくものであり、正式発表前に変更される可能性があります。参考:MacRumors