【速報】ドルガバの象徴、ステファノ・ガッバーナが会長退任。その真相とブランドが歩んだ「栄光と挫折」

ステファノ・ガッバーナ(左)とドメニコ・ドルチェが、2月にミラノで開催されたドルチェ&ガッバーナのショーにて。写真:アレッサンドロ・ガロファロ/ロイター

ファッション業界に激震が走りました。イタリアを代表するラグジュアリーブランド「ドルチェ&ガッバーナ(Dolce & Gabbana)」の共同創業者であるステファノ・ガッバーナ(Stefano Gabbana)氏が、今年初めに会長職を退任していたことが明らかになったのです。

長年、ドメニコ・ドルチェと共にブランドの顔として君臨してきた彼の決断。なぜ今、彼はトップの座を降りたのでしょうか? そして、私たちが愛する「ドルガバ」というブランドは、これまでどのような道を歩んできたのか。その背景を徹底解説します。

なぜステファノ・ガッバーナは会長を辞めたのか?

2026年4月10日、ドルチェ&ガッバーナ社が発表した内容によると、ステファノ・ガッバーナ氏は2026年の年頭にひっそりと会長職を退いていました。 公式な声明や関係者の話を総合すると、今回の退任はスキャンダルや対立によるものではなく、**「ブランドの持続可能な未来に向けた組織改革」**の一環であるとされています。

経営と創作の分離

60代半ばを迎えたステファノは、複雑化するグローバル企業の経営(ガバナンス)を次世代の専門経営者に委ねる決断をしました。

クリエイティブへの回帰

会長という重責から解放されることで、彼は今後、ドメニコ・ドルチェと共に**「クリエイティブ・ディレクター」としての役割に100%集中する**意向です。

家族経営からの脱却

ドルガバは伝統的に家族経営の色が強いブランドでしたが、近年は株式公開(IPO)の噂も絶えず、組織の透明性を高めるために創業者が経営トップから一線を画す必要があったという見方もあります。

ファンにとっては、彼がデザイン現場に残るという点は一安心といったところでしょう。しかし、経営の舵取りが変わることで、ブランドの戦略が今後どう変化するのかに注目が集まっています。

ドルチェ&ガッバーナとは?:地中海の情熱が生んだ帝国の誕生

ここで改めて、ドルチェ&ガッバーナというブランドの成り立ちをおさらいしましょう。1985年、ミラノで誕生したこのブランドは、シチリア出身のドメニコ・ドルチェとミラノ出身のステファノ・ガッバーナという、私生活でもパートナーだった(現在は解消)二人によって設立されました。

ブランドの本質

彼らのデザインの根源にあるのは、**「シチリアの伝統」「マドンナ(聖母)」「官能性」**です。

シチリアン・スタイル

黒のレース、コルセット、花柄のプリント。イタリアの力強い女性像を具現化したスタイルは、一躍世界中を虜にしました。

マドンナとの絆

1990年代、歌手のマドンナが彼らの衣装を愛用したことで、ブランドは一気にグローバルなスターダムへとのし上がりました。

「栄光」の時代:ラグジュアリーの頂点へ

1990年代から2000年代にかけて、ドルガバは「成功の象徴」でした。

多角化の成功

メインラインに加え、カジュアルな「D&G」(後に統合)、香水、アイウェア、コスメティックと次々にヒットを飛ばし、世界的な巨大ファッションハウスへと成長しました。

ハリウッドの寵児

授賞式のレッドカーペットでは、常にドルガバのドレスが閃光を浴びていました。彼らが作り出したのは、単なる服ではなく「イタリアの夢」そのものだったのです。

「挫折」の時代:ブランドを揺るがした大事件

しかし、その輝かしい歴史の裏で、ドルガバは幾度となく存続の危機に直面してきました。ステファノ・ガッバーナ氏の歯に衣着せぬ言動が物議を醸すことも少なくありませんでした。

巨額の脱税疑惑(2010年〜2015年)

イタリア当局から、ルクセンブルクの会社を利用した所得隠しで起訴されました。一時は禁錮刑の判決まで出ましたが、2014年に最高裁で**「無罪」**が確定。この騒動中、彼らはミラノの店舗を抗議のために一時閉鎖するなど、国を相手に激しく戦いました。

「伝統的家族」発言による炎上(2015年)

インタビューで「体外受精で作られた子供は化学的な合成物だ」といった趣旨の発言をし、エルトン・ジョンら著名人から大規模なボイコット運動を展開されました。

中国市場での「箸」広告と大炎上(2018年)

ブランド史上最大の挫折です。中国人のモデルが箸を使ってピザを食べる動画が「アジアへの蔑視」と捉えられ、不買運動が勃発。さらにステファノ個人のSNSから中国を侮辱するメッセージが流出したことで(本人はハッキングを主張)、上海でのショーは直前に中止、中国のECサイトから商品が消える事態となりました。

復活、そしてステファノの退任へ

2018年の中国騒動後、ブランドは地道な謝罪と、よりハイエンドな顧客に向けた「アルタ・モーダ(高級仕立服)」への注力によって、再び信頼を取り戻してきました。

今回のステファノ氏の会長退任は、こうした激動の時代を経て、**「個人の情熱で突っ走る時代」から「グローバル企業としての安定期」**へと移行する最終段階なのかもしれません。

ドメニコが技術を支え、ステファノが夢(イメージ)を売る。この黄金コンビのバランスは、形を変えながらも続いていきます。会長という肩書きを捨てたステファノ・ガッバーナが、今後どのような自由なクリエイションを見せてくれるのか。ファンはそれを心待ちにしています。

参考記事(出典):

Dolce & Gabbana says co-founder Stefano Gabbana quit as chair at start of year – The Guardian

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